婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「チェリー!!」

「ライラ、見つけたよ!」

よかった。チェリーの姿を見て、強張っていた体から力が抜けていく。


「ドリー、タオル借りるね」

後から入ってきたミーとナーは、用意しておいたタオルを真っ先に手に取る。

「ああ、濡れるのが苦手だったのに、悪かったね。チェリーもほれ、頭を拭きな」


あれ?ちょっと待ってよ。
チェリーにミーとナー……ということは、こちらの男性は……

チラリと様子を伺うと、その愛嬌のある目がバッチリとこちらを向いていた。


「ライラ、ん?」


支えている男の人の顔を、私に見えるように向けてくるけれど……
私の名前を知っているということは、もしかして……


「グノー?」

「ん」




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