婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「おい、アルフレッド!!抜け駆けは許さない。ライラは俺の番なんだぞ」

「は?」

番って……は?

いささか失礼な声が漏れてしまう。


「えっと……2人とも、なにを言ってるの?」


まあ落ち着こうと、再び席に座らせた。


「前々から思ってたけど、ライラとアルフレッドって、どんな関係なんだ?」

「関係だなんて……」
「婚約者だ」

なにさらっと言っちゃってるのよ……〝元〟が抜けてるし。
アルフレッドをジロリと睨むも、素知らぬ顔をされてしまう。

ともすれば不敬罪を問われかねないけれど、それは今さらというもの。そもそも私は、どちらの国にも属さない庶民、ライラ・ガーディアンだわ。


「こ、婚約者だと!?」

「違うわよ」

即否定するも、興奮したルーカスは止まらない。

「どういうことだ?」

「言葉通りだ。ライラこと、セシリア・ローズベリーは、グリージアの貴族の娘。私と3年もの長い間付き合っていた婚約者だ」

「なっ……」





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