婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「獣人は、この人だと、たった一人の最愛を見つけると、生涯その一人を愛し続ける。契りを結んだ途端、その最愛以外の異性は目に入らなくなる。俺はずっと、その生涯の伴侶を探していた。
やっと、見つけたんだ」


あれ?なんかキラキラした目で見つめられてるんだけど……
ま、まさかねぇ……
や、やめてよ……

そんな願いも虚しく、ルーカスは私の手を取ると、さっと片膝をついて甲に口付けをした。


「諸事情で、今すぐにといけないところが悔しいが……本来なら、今すぐにも契りを結びたいんだ。
ライラ・ガーディアン。俺の番になって欲しい。ライラは、俺の最愛で、唯一の女性だ」


……その、諸事情とはいかに?


「おい、こら待て。なにどさくさに紛れて求婚してるんだ!?」

「わっ、じゃまするなよ。この、ヘタレ王太子」

アルフレッドがルーカスの手を払い落としたのをきっかけに、目の前で子ども同士の喧嘩がはじまった。



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