婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「ライラはグリージアへ連れていくいく」

「いいや。サンミリガンだ」


いい加減にして欲しい。営業妨害の極み。


「グノー、手伝ってくれる?」

「ん」


喚くやんごとない……はず?の2人の首根っこを、グノーがひょいひょいっと掴む。何気に彼は力持ちだ。
そのまま2人を引きずって、入り口から外に放り出した。

そんな扱いなんて、受けたこともないのだろう。2人そろって、キョトンとした顔でこちらを見てくる。


「ここは緩衝地帯よ。王太子だか王子だか知らないけれど、店のじゃまだと判断すれば、出ていってもらいますから」


パシャリと戸を閉めて、グノーに向き直る。

「ありがとう、グノー」

「ん」


やっぱり言葉数の少ないグノーは、放り出した2人に興味もないのか、さっさと厨房へもどっていった。






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