婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「それなら、大丈夫ね……って、そうじゃなくて、どうして私まで行かなきゃならないのよ!!」

「ライラは怒っている様すら、可愛いなあ」

「なっ……」


いくら私だって、面と向かってそんなふうに言われれば恥ずかしいわけで、赤らんだ顔を俯かせた。

「恥じらう様もな」


私を番だと宣言してからというもの、ルーカスがやたら甘い。それはもう、鬱陶しいぐらいに。
それに加えて、対抗心を燃やすアルフレッドも、なかなかめんどくさい。


「こ、答えになってないわよ。なんで私まで行かなきゃならないの?それに、こんな豪華なドレスを着せるって、私の立ち位置はなんだっていうのよ!!」

「そんなの、決まってるじゃないか」


ふふんと気取るルーカスを、ジロリと睨みつけた。聞きたいような、聞きたくないような……聞いちゃいけないような……



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