婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
『ああ、ライラ。ミランダのやったことは、魔女の世界でもタブーなんだよ。当人の許可のないまま、香草を使って相手を操るってのはな』

タブー……そもそも、そんなことに同意する人なんているの?


『まあ、獣人側も同意ならば、香草を使ったプレイもやぶさかではないが……」

「プレイ……」

またもや呟いたのは、ルーカスなのかジャレットなのか?彼らには刺激の強すぎる会話のようだ。もちろん、私もついていけない。


『掟を破れば、魔力を完全に奪われるほどのタブーだ』

「え?」

ちらっとミランダに目を向ければ、さっきまでの妖艶な姿はすっかりなりを潜め、ガタガタと震えていた。

「ド、ドリス様。そ、それだけは……」

『既に、マージュミアルには通報済みだ。覚悟をせい!!』

「そ、そんな……」


『おい、そこの人間の方。ミランダを縛っておけ』

アルフレッドの護衛がハッとして、恐る恐るミランダに近付いていく。

『心配いらん。既にミランダの魔力は制御されとるわ』

「ま、まさか……」


事態がのめないのか、ミランダが取り乱し始めた。
ドリーの言葉を信じた騎士は、それに安心してミランダをガッチリと拘束した。



< 205 / 260 >

この作品をシェア

pagetop