婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「ジャレット、ルーカスもオオカミの獣人なのよね?」

「ええ、そうです」

「へぇ……ぷくく……」

アルフレッド……ここで笑ったらダメでしょう。いくら今はカエルだとしても。


「王族の証、煉瓦色の珍しいオオカミです。そのお姿は、男の私でも惚れ惚れするほどです」


ジャレットはできた家臣だ。主人の良さを猛アピールしてくる。今はカエルなのに……ドブ色の……


「それなのに、こんなカエルの姿に変えられてしまうなんて……」

代わりに私が呪いを受けていれば……と、悔しそうに顔を歪めたジャレットは、本当に忠実な家臣だ。


「で、でも、いつか解けるかもしれないわ。ミランダも捕まったことだし」

「ミランダが捕まって、なおかつ魔力を奪われたというのに、彼女のかけた呪いは未だに解けず。こうしてまだカエルのままです。彼女の存在は関係ないのでしょう。
この呪いを解くにはどうしたらよいのか……サンミリガンの先鋭達が全力で調べていますが、未だ成果を上げられておりません」

それは大変なことで……



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