婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「あっ!それなら、ドリーに聞いてみれば?」

そう言いながら水晶を見つめたけれど、再びドリーが現れる気配は微塵もない。


「そうですね。もうドリーに賭けるしかありません」







「で、なんでアルフレッドまでついてくるの?」

『ゲコゲコ ゲコゲコ』


国境にたどり着いて馬車を降りた。
緩衝地帯に入る私達に、なぜか当たり前のようについてくるアルフレッド。

「王太子様なら、お忙しいはずでは?」

「なあに、1週間、サンミリガンの王子を連れ回す予定だったのだ。予定外に空いた時間に何をしていようと問題ない」

いや、あるでしょうよ。
アルフレッドは護衛を1人だけ残すと、馬車をさっさと帰らせてしまった。


「グリージアの王太子様は、真面目で誠実で、仕事熱心な方だと思っていたわ」

軽く嫌味を言うと、アルフレッドがふと考え込んでしまった。


ここまで来るうちに、雨はすっかり止んでいる。けれど、ルーカスは未だカエル姿のままだ。




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