婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「なにが俺の番だ!!」
ここに割り込んできたのは……
はあ……
これまた思わずため息をこぼしてしまう人。グリージア王国の王太子、アルフレッド殿下。
「ライラは俺の最愛の人だ」
「なにぃ!!」
この2人は、もう何ヶ月にも渡ってこんなやりとりを繰り広げているる。
ジャレットや騎士達、両護衛もすっかり慣れて……
いや、諦めて……見捨てて……
止めることは早々に放棄したようだ。抜刀しない限りは、見なかったことにするらしい。
私もそれが正解だと思う。相手にするだけ時間の無駄というもの。付き合わされる護衛さん達が、気の毒で仕方がない。
「ライラ、ん」
呆れる私を呼び止めたのは、厨房担当のグノー。彼は相変わらず言葉足らずだ。
「なあに、グノー」
「ん」
いつものように突き出された拳の下に手を広げれば、なにかがポトリと落とされた。どうやら今日は、ラムネをくれたみたい。
「いつもありがとう、グノー」
「あっ、こら!!勝手に俺の番に求愛給餌をするなと、毎回言ってるだろ!!」
目ざとくグノーに気が付いたルーカスが、こちらに詰め寄ってくる。そこはさすがに、ジャレットが羽交い締めにして止めてくれた。
ここに割り込んできたのは……
はあ……
これまた思わずため息をこぼしてしまう人。グリージア王国の王太子、アルフレッド殿下。
「ライラは俺の最愛の人だ」
「なにぃ!!」
この2人は、もう何ヶ月にも渡ってこんなやりとりを繰り広げているる。
ジャレットや騎士達、両護衛もすっかり慣れて……
いや、諦めて……見捨てて……
止めることは早々に放棄したようだ。抜刀しない限りは、見なかったことにするらしい。
私もそれが正解だと思う。相手にするだけ時間の無駄というもの。付き合わされる護衛さん達が、気の毒で仕方がない。
「ライラ、ん」
呆れる私を呼び止めたのは、厨房担当のグノー。彼は相変わらず言葉足らずだ。
「なあに、グノー」
「ん」
いつものように突き出された拳の下に手を広げれば、なにかがポトリと落とされた。どうやら今日は、ラムネをくれたみたい。
「いつもありがとう、グノー」
「あっ、こら!!勝手に俺の番に求愛給餌をするなと、毎回言ってるだろ!!」
目ざとくグノーに気が付いたルーカスが、こちらに詰め寄ってくる。そこはさすがに、ジャレットが羽交い締めにして止めてくれた。