婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「それで?ウサギっ子とは、その後どうなったの?」

まさか、別れさせられたとか……
だとしたら、あまりにも悲しすぎる。


「ん?結局、俺がサンミリガンの人間になって、こっちで結婚したさ」

「よかったあ……」


切ない結末だったら……って考えただけでも辛くなってしまう。
2人が無事に結婚できたのなら、それだけでもとりあえずよかった。


「そこの防具屋の店主は、人間の爺さんなんだけど、俺と似たようなものだな。グリージアの人間に嫌がらせも兼ねて、ぼったくり防具屋をしているわけ。
あっ、もちろん飛び道具のような攻撃を仕掛けるものはないぞ。そんなもんを持ってたら、サンミリガンへ入国できないからな。
あくまで、プロテクターみたいなもんばっか。意外と売れてるみたいで、爺さんかなり稼いでるぞ」

「へ、へえ……」


道徳的には……なんて、以前の私なら思ったのかもしれない。でも、決して人を傷付けたりしない、悪戯のような商売ぐらい、まあいいじゃないかって思えた。






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