婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「まあ、それもそうなのだが……現国王もそうであったことから、国王夫妻はアルフレッド殿下にも、家柄だけでなく人柄も見極めて、自分の目で相手を見つけなさいという方針のようだ」


つまるところ、政略的な結婚ではなく、陛下自身がそうだったように恋愛結婚を、ということか。

アルフレッドと直接お話ししたことは、一度もない。けれど、学校に在籍していた年は被っていたから、こちらもそうであったように、私を見かけるぐらいのことはあったのかもしれない。



本来ならば、我が家にとっては恐れ多い話だ。



王家と姻戚関係になれば、陛下の覚えも明るく、この先、いろいろと融通が効くこともあるかもしれない。

その旨味に目がくらんでもおかしくない。


けれど、そうならないのが父、ブランドン・ローズベリーだ。





< 6 / 260 >

この作品をシェア

pagetop