甘えたがりな君



 感覚的に5分くらい経った。





 やっぱり、まだ足りない。



 やばい。

 これは。
 なっている、完全に。
 彼の中毒に。


 それは、よくわかっている。
 自分でも。


「……もっと……」


 だけど。
 止められない。


 ううん。
 止められないのではなく。
 止めたくない。



 私のあまりの積極的さに。
 驚いている、彼は。
 目をまんまるにして。

 だけど。
 すぐにフッと笑い。
 やさしく触れる、私の髪に。


「……ふ~ん……。
 でも今度は、あと5分じゃ済まないかもよ。
 覚悟はいい?」


 彼が言ったことに。
 ゆっくりと大きく頷いた。


 そのすぐ後。
 彼は囁く、耳元で。
「ほんと可愛い」と。

 そうして。
 もっともっと甘く深く、とろけるようなキスを……。


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