白いジャージ ~先生と私~

最近の直は

見てられない。




無理して笑うその笑顔は、少しのことで崩れてしまいそうな危うさ。



何もしてあげられない姉を許して。





ここ何年も、家族と楽しいひとときを過ごしたことはなかった。


あの・・・なんとかって言う直の教師が来るまでは・・。


私は、家族の輪の中に、飛び込む勇気がなかった。


あの教師は、私に会いたいと言い、挨拶に来た。



真っ直ぐな目が直に似ている。

私の心を全て、わかってくれているような話し方、優しい笑顔は

私には

新鮮で・・


少し、信じられると思ったんだ。




あれから、直との会話を心がけるようになった。

あの先生の話題なら、直は嬉しそうに話してくれた。


あの先生のおかげで、家族の愛を

家族の大切さを


少しだけ


思い出した。

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