白いジャージ ~先生と私~
ごめん・・


たっくん・・・



クリスマスは、本当に好きな人といたい。


その時、心からそう思ったんだ。




たっくんは、私のそんな心の動きにも全く気付いていない様子で、


ずっと話し続けてた。


耳に入ってこないたっくんの声。





車を止めて、沈黙になる。



私の気持ち・・・

気付かれたかな・・


たっくん不安にさせてしまったかな・・



「チュー・・しよ!」



たっくんは、そんな私の心配をよそに、笑顔で私の手を握る。


優しく私の髪を撫でるその仕草に、先生を思い出す。

思わず、先生の代わりにその胸に飛び込みたいと・・思ってしまう。


でも、そこにいるのは私の大好きな先生じゃ

ないんだ。


「好きだ」


たっくんの右手が私のあごにそっと触れた。


たっくん・・・!!!



顔が近づいてくるのがわかる。




やだ・・



やだ・・




先生の声が甦る。




『ファーストキス俺の為に取っとけよ』






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