白いジャージ ~先生と私~
「タイム・・・それは、他愛もない、今の幸せが、無限に続く・・・の略だとわしは思う。」
えぇ・・・???
それ、いつ考えたの?
お父さん・・・
お父さんって結婚式のスピーチとかでも凝った事言う上司なんだろうなぁ。
えぇええ!!!!
隣で、お母さんが涙ぐんでることに驚いた。
そして・・・何より先生までもが、しんみりして・・
お姉ちゃんも、泣きそうな顔になってる。
私一人、笑いそうになってたことが恥ずかしくなる。
「こんな時間が過ごせるなんて、夢のようだ。君がいなければ、こんな穏やかな幸せを感じることができなかった。」
お父さんは、お母さんの方に目をやり、頷きながら話していた。
「僕の方こそ・・・本当なら受け入れてもらえるはずのない教師という立場の人間なのに、温かく迎えていただいて・・・感謝してもしきれません。」
先生の言葉で
私も
気付いた。
そっか。
こうして普通に先生を迎えてくれるこの家族・・って・・
本当なら、先生を殴ってもいいくらいなのに。
こんなに理解を示してくれる両親と姉に・・感謝しなくちゃね。
「反対することは、簡単だ。でも、反対しても賛成しても好きな気持ちは変わらん。それなら、気持ちよく楽しく青春時代を過ごさせてやりたいと思う。」
「僕が直さんを必ず守ります。もし、学校で問題になるようなことがあれば僕は責任取るつもりでいますので、安心してください。直さんをちゃんと、卒業させるまでは、気を抜かないよう気をつけます。」
先生の『責任取る』って言う意味を考えると、
先生は・・すごい覚悟で私と付き合うんだ・・
先生、ごめんね。
大変な思いさせて、ごめんね。
私も頑張るから!!
絶対に卒業式・・笑って迎えようね。