白いジャージ ~先生と私~
手の込んだ料理で、先生を迎える準備をするお母さん。
その横で、お姉ちゃんはつまみ食いをしてる。
平和な昼下がり。
幸せな光景。
「おばあちゃんから手紙の返事来ないなぁ」
お姉ちゃんはため息交じりに言う。
何年もの間、返事を出さなかった自分を棚に上げて・・・
「最近、具合がよくないらしいの。食欲がないって。」
お母さんも、大好きなおばあちゃんの様子をずっと気にしてた。
お父さんの方のおじいちゃんおばあちゃんは、もう他界しているため
私にはお母さんの母である、おばあちゃんだけが会ったことのある祖父母ということになる。
お母さんのお父さんは、若くして亡くなったんだ。
おばあちゃんは、ずっと一人でお母さん達を育ててきたんだ。
優しいおばあちゃんは、優しさが顔ににじみ出てるよね。
私も、あんな素敵な笑顔のおばあちゃんになりたい。
苦労してきたであろうおばあちゃん・・・だけど、そんな苦労は表に見せず、
いつも、笑顔で笑ってくれるんだ。
おばあちゃんとは1ヶ月に1回の文通を続けている。
学校のこと、友達のこと、ささいな日常の出来事を書いている手紙を
おばあちゃんは大事に大事に缶の中にしまってくれてるんだ。
おばあちゃんの手紙・・・
最後の一行は、初めて文通をした時から全く同じだった。
『お父さん、お母さんを大事にしてください』