白いジャージ ~先生と私~
おばあちゃん
1年ぶりのおばあちゃんの姿に、私の頭の中、真っ白になった。
あんなに丸かったおばあちゃんの顔が
あんなにぽちゃぽちゃしてたやわらかい手が
優しい声が
まるで別人だった。
やせて、声も出ないおばあちゃんの笑顔は
痛々しかった。
お母さんは、驚きを見せずに明るく振舞った。
「おばあちゃん!!!今日は、なおの将来のだんなさん連れてきたよ!!」
おばあちゃんは、目を細くして・・
先生の手を捜すように、手を伸ばす。
先生はさっと、しゃがみ、おばあちゃんの手を握った。
「初めまして!新垣と言います。なおさんからおばあちゃんの話聞いてますよ!」
先生の一言一言に、ゆっくりと頷きながら優しく笑うおばあちゃん。
出にくい声で・・
「な・・み・・」
とお姉ちゃんを呼んだ。
お姉ちゃんはもう泣いていた。
泣きながらおばあちゃんの手を握り、何度も謝った。
「ごめんね、おばあちゃん!!ほんとにごめんね・・手紙出せなくてごめんね。会いに来れなくてごめんね・・・でも、もう大丈夫だから。私、お母さん大事にするから・・・
」
おばあちゃんの目から、涙が流れていた。
「あり・・がとね・・てがみ・・」
お姉ちゃんの手紙に書かれていたことを知った。
おばあちゃん、うちにおいでよ・・と。
おばあちゃんは私の手を握り、
「いつも・・てがみありがとね・・なおは・・やさしいこだね・・しあわせに・・なりなさい・・」
と言いながら、私の頬を何度も何度も触った。