白いジャージ ~先生と私~
「最後に、みんなの顔を見れて、おばあちゃん嬉しかったと思うよ。」


先生の言葉に、少しだけホッとした自分がいた。


頭の中では今までのおばあちゃんとの思い出を思い出してた。

他に何かできたんじゃないか、という後悔にも似た気持ちが消えなかった。


お通夜とお葬式に行く準備をしなければならない。

忙しさが、悲しみを紛らわせてくれるようにしているのかと思うくらい、忙しい。


身近な大切な人の死を、ゆっくりと受け止める時間などないくらいに、やることが多く、お母さんはバタバタとしていた。

新幹線で行くことになった。

翌朝の早朝の便に乗ることになり、早く寝なさいと言われた。


眠れない、とメールしたら、先生が家の前にいたんだ。



「少しだけだぞ?」


先生の手の感触が、私にどれだけの安心感を与えてくれるか、先生は知ってるのかな。


私は素直な今の心境を話した。


おばあちゃんは幸せだったのか、とか

私はこれで良かったのか、とか。


「同居してるおばさんにおばあちゃんを大事にしてくださいと泣いて頼んだところで、あのおばさんは変わらなかったと思う。」

泣きながら話す私の目をじっと見つめながら先生は話す。

「高校生であるお前ができる範囲で、お前はおばあちゃんを大事にしてた。おばあちゃんにとって、お前との文通が心の支えだったんだよ。」



先生の存在が

どんどん大きくなる・・


先生は、ときめきやドキドキをくれるだけの恋人じゃなく、

なくてはならない私の一部のような

そんな 存在になっていた。


「おばあちゃん言ってただろ?いつも手紙ありがとって。なおは、優しい子だって。それが、おばあちゃんにとっては、幸せだったんだよ。娘であるお母さんがお姉ちゃんのことで悩んでることを心配してたおばあちゃんは、お前が優しいことが嬉しかったと思う。大事なお母さんをいつも守るお前の存在が、おばあちゃんを安心させたと俺は思うよ。」

先生は、お葬式の帰りに駅まで迎えに行くからと言ってくれた。


先生のおかげで、すんなりと眠りにつくことができた。
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