白いジャージ ~先生と私~
終業式
蒸し暑い体育館に、大勢の若者が一斉に集う。
どうしてこんなに暑いんだろう・・。
みんなの熱気で、気温がどんどん上昇する。
だって、みんな一生懸命青春してるんだもんね。
体中から、パワーいっぱい出して、輝いている高校生だもんね。
昨日の夜の長電話のせいで、眠くて仕方がない。
校長先生の話の長さにはもう慣れたけど、何度経験しても辛い。
昨日の夜、ゆかりに全部話したんだ。
入学式から、実はずっと気になっていたこと。
そして、一人で静かに先生に恋してたこと。
ゆかりは、中学からの親友。
高校1年の夏休みから、薄々気付いてたんだって・・・
夏休みに学校に何度も遊びに行こうって誘ってた私。
そりゃ、バレるか・・・
こんなことならもっと早くに話しておけば良かったと心の底から後悔した。
そうすれば、ゆかりを傷つけずに済んだのに。
平気だよって笑うゆかりだけど、親友なのに1年以上も黙ってたなんて・・
ショックだと思う。
「なおぉ~~。私も、恋したい・・」
後ろから、耳元でゆかりが囁く。
ゆかりは、中学から付き合ってた彼氏と別れてから恋愛から遠ざかってる。
実はずっと引きずってるんだ、元彼を。
細くてかわいいゆかりには、近寄ってくる男子も多い。
だけど、ゆかりは全く興味なし。
いつか、元彼とよりが戻ってほしい・・・そう私は願ってる。
「龍ちゃんに電話でもしたら・・??」
前の彼氏、龍ちゃんの名前を久しぶりに口にしてみた。
「ちょっ!!!ちょっとぉ!!何言ってんのよ!!」
ゆかりは、私の頭をポコポコ叩いて、恥ずかしがった。
その赤くなる顔を見て、まだ龍ちゃんが好きなんだと改めて感じた。