白いジャージ ~先生と私~

ひとつ屋根の下

私たちを送った先生は、荷物を家に運んでくれて

すぐに帰ろうとした。


先生なりの気遣いだとわかる。


「なおと、しばらく一緒にいてあげてくれないか?」



お父さんは、先生の腕を引っ張り強引に、部屋へ入れた。



私は一人になるのが怖かった。

ずっと先生にいてほしかった。


お父さんは、そんな私の気持ちを察してくれたんだね・・・



「一杯付き合ってくれよ。」


車で帰らないといけないので、飲めませんと言う先生の声もお父さんには届かない。


嬉しそうに焼酎グラスを二つ用意するお父さんを見て、お母さんが言った。


「良かったら付き合ってあげてくれない?今日は泊まってってちょうだい。」


えぇ~~~~?!


嬉しいけど・・・いいのかな?

お泊りしてくれるなんて夢みたい。


私達女性陣が、お風呂に入ってる間にお父さんはすっかり出来上がってる。

先生も赤い顔して、楽しそうに話してる。



涙が出そうになったんだ。


悲しい涙じゃなく


あったかい 涙。



ありがと、先生。
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