白いジャージ ~先生と私~
「お前ら、そろそろ帰れ~!!そんで、もう2度と来るなよ~!」

「え~。やだやだ。絶対また来るからね。」


依子は、先生のクッションを抱きながら甘えた声で言う。

「お前らが来たことがバレたら、また違う奴らが来たいと言い出すから、頼むから広めないでくれよ。」


私は、立ち上がり、紅茶のカップとケーキのお皿を台所へ運んだ。


「洗わなくていい?」

私が小声で聞くと、先生はみんなが玄関に行くのを見てから、


「夜、来て洗って。」


と言い、目を細めて笑った。




玄関先で、見送ってくれる先生。


手を振りながら私たちは、先生のハイツから離れていく。


「なかなか、手強い。新垣って。」


依子の言葉に誰も答えなかった。


< 193 / 480 >

この作品をシェア

pagetop