白いジャージ ~先生と私~
泣いちゃダメ



泣いちゃダメだ・・



我慢しなきゃ!!!!




私は、ゆかりの手を引っ張り屋上へ走った。




屋上の風が

興奮した私の体を冷やしてくれた。


空を見上げる。


雲の動きは

私の鼓動のように速かった。

「ありがと・・なお・・でも大丈夫だよ。1回会ってエッチもしないで付き合うなんて相当・・龍は本気だと思う。」


あ・・・

ゆかり誤解してる・・


龍と依子が付き合ったことで、ゆかりも傷ついてるんだ・・


私・・自分のことばっかり・・



「ゆかり・・違うの・・依ちゃんが見た彼女って・・・私じゃない・・んだ・・」



「え・・??どういうこと??直じゃないの?」


「うん・・・昨日行ってない・・っていうかまだ一回しか行ったことないもん・・」


ゆかりは、私を抱きしめてくれた。


そのまま空を見上げる。


おばあちゃんの笑顔と

ゆかりのぬくもりが私を包む。


「先生のこと・・信じよう!ちゃんと話してみなきゃ。良いように考えれば、依子に目撃されたのが直じゃなくて良かったよ・・」



ゆかりがぎゅっと抱きしめてくれて

私の不安は空へ飛んでいこうとしてた。


私もゆかりを抱きしめる。


「ゆかり・・・ゆかり大好き・・」


雲の上からおばあちゃんが手を振った。
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