白いジャージ ~先生と私~
「先生・・・・」
「・・・もうお前から会いにきてくれないかと・・・思った。」
「先生・・・ごめんね・・・不安にさせて・・」
「いや・・俺の方こそ・・・突然あんな話をして・・・お前を悩ませてしまった・・」
先生の腕の力が抜ける。
私は振り返り
先生の顔を抱きしめた。
先生・・・泣かないで・・
先生・・・そんな悲しい顔しないで・・
「私・・・先生が好き・・」
「・・・わかってる・・」
いつもの返事で安心した。
少し笑った先生は、
「鍵・・・閉めちゃった」
と目を細くした。
「俺な・・お前が俺から離れることが、怖くて仕方なかった。怖くて・・・怖くて・・こんな気持ちは初めてだった。」
密閉された更衣室は冬なのに暖かかった。
「先生・・私、何があっても先生から離れないから・・先生が逃げたってどこまでも追いかけるから・・」
「・・頼むな・・俺・・結構弱っちいからさ・・お前いないと生きてけない。」
更衣室は、久しぶりの人の訪問に驚いているようだった。
夏の匂いが残ってる。
懐かしいこの匂い。
先生と、ここで夏を過ごしたね・・
先生も同じこと考えてた。
「懐かしいな・・ここ。俺らの始まりの場所・・」
私は、床に座る先生の横に座り、
先生に
キスをした。
「先生・・・いつもの先生になってよ・・」
私は、2人きりの部屋にいるのに私に近づかない先生との間に
見えない壁を感じて
自分から近づいた。