白いジャージ ~先生と私~
その夜は、遅くまで語り合った。

修学旅行と言えば定番の


コイバナ!




途中からゆかりと依子の三人で部屋を抜け出し、自動販売気の横の長椅子で話し始めた。


温かいミルクティー片手に、静かな廊下に響かないよう小声で話す。


「なんかドキドキするよねぇ」

「もうみんな寝たかなぁ?」

「いいなぁ、直は好きな人と修学旅行に来れて。」

ゆかりと依子が顔を見合わせて頷き合う。


確かに、二人とも大好きな人と修学旅行に来れなかった。


私は先生と生徒って立場だけど、一緒に来てるんだもんね。


「どこが好きか言い合おうよ〜!」

ゆかりの提案で始まった好きな人の好きなとこを言うゲーム。


負ける気がしない。


いくらでも出てくるもん。



最後には、私が『剃り残したヒゲ』とか言っちゃって大笑いされた。


ゆかりは、龍の時より素直だった。

たっくんの髪型、声、話し方、笑い方から、服装から全部好きなんだって。


依子は、照れながら言った。

冷たいとこ、だって。

今までの男はみんな優しかったけど、本音でぶつかってくる人はいなかったと、依子は天井を見上げた。


「龍はね、とにかくいじわるばっかり言うの。説教するし。だけど、なんか安心すんだよねぇ」


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