白いジャージ ~先生と私~
高級そうなホテルのロビーで、ボーイさんが頭を下げる。


慣れた様子でエレベーターに向かう先生は

とても大人で

私の知らないことをたくさん知ってる。



私は初めてのこんな場所にキョロキョロしながら先生に着いていく。


片手をポケットに入れ、もう片方の手で私の手を掴む。


エレベーターを待つその瞬間も

横から見る先生はとてもかっこよくて


ますます大好きになってる。


一階に近づくエレベーターのランプを見ながら、先生はちらっと私を見る。


「そんな緊張すんなよ。」


いつもと違う先生は

私に


『先生が好き』


だと


いうことを


実感させてしまう。
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