白いジャージ ~先生と私~
鞄から出した小さな袋の中のトリュフは


先生に食べてもらうのを楽しみに待ってるんだ。


初めて渡せたチョコ。


私の一生分の愛を込めて・・・



「お前からやっともらえたぁ。去年ももらえると思ってたんだぞ!サンキューな。」


嬉しそうにチョコをテーブルに置き、肘をついてチョコを見つめる。


先生 好きです。



最初で

最後の


チョコです。



イタリアンの好きな私の為に探してくれたこのお店。


きっと一生忘れられない。


この赤いソファー。



「どした?元気ないな?」

私の右手を握る先生の左手。

テーブルに伸ばした手があまりにも力強く、


涙が出そうになる。
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