白いジャージ ~先生と私~
エレベーターで


何かを言いかけた先生。



こんな時くらい二人にしてくれてもいいのに。


途中の階から、カップルがエレベーターに乗り合わせた。


言いかけた言葉は


先生の胸に閉じ込められる。



そっと繋がれた右手が

先生を求めてる。



こんなにも大好きだけど


今から別れるんだよ、直。


繋いだ手から


伝わる愛が悲しい。



エレベーターを下りた私達は、駐車場へ向かう。



何も話さないこの静かな時間が

さよならを予感させるんだ。


自分から言い出して


おかしいけど、


さよならしなきゃいけないんだね。


先生と・・・
< 339 / 480 >

この作品をシェア

pagetop