白いジャージ ~先生と私~
「おぉ!!かなり綺麗になったなぁ、お疲れさん。」
もう時計は、5時半を過ぎていた。
あんぱんで休憩してから、2人で無心で片付け頑張ったんだ。
先生は、体育の日誌の整理をしたり、資料をまとめたり。
私はボールを拭いたり、掃除機かけたり。
時折、先生が声をかけてくれた。
「矢沢、掃除好き?」
とか
「お前、片付けのプロだな」
とか。
たまにこっそり先生を見る。
真剣な目で仕事してる横顔に、好きだよって心の中で囁く。
夕日のよく見えるこの部屋。
オレンジ色に輝く先生の横顔・・・
先生は、毎日ここでお仕事してるんだね。
何を考えながらここで夕日を見てるのかな。
誰を想っているのかな・・・
先生、寂しい目をしてる。
初めて声をかけたあの廊下での先生の目が忘れられないんだ。
誰かを想ってる目。
寂しそうな、切ない目。
気のせい?
違う。
先生に恋をしてるからわかるんだ。
先生が誰かを想ってる目。
時々、遠い目をする先生。
先生を抱きしめたいって思っちゃうような・・・そんな目。