白いジャージ ~先生と私~
「俺は、子供と暮らすつもりもないし、よりを戻すつもりもない。ただ、娘が幸せであればそれでいい。」
車に乗り、エンジンをかけずに先生は話し始めた。
「先生、子供にとってお父さんは一人なんだよ。私は、これ以上先生といられない」
先生の目を
見ることができない。
「頼むから・・勝手に決めんなよ。俺の気持ちはどうなるんだよ。」
「ごめん。先生。決めたんだ・・私には重過ぎる・・・」
重くなんかない。
本当は、
先生の過去も
なにもかも全部を
愛してる。
「・・・何言ってももう・・だめか?」
先生は、うつむいて目を閉じていた。
「今までほんとに楽しかった。ありがと・・先生。私、先生との思い出だけで一生幸せに暮らせる・・よ」
頬を伝う涙は
拭いても拭いても
どんどん溢れる。