白いジャージ ~先生と私~
ハンドルに顔を押し付けるようにして先生は泣いた。
私が渡した紙袋を大事そうに胸に抱いて・・
「先生・・・幸せになって・・ね・・今までほんとに・・ありがと・・」
先生は
何も答えずに
ハンドルに頭を乗せたままだった。
勢い良く車のドアを閉め、振り向かないで走った。
玄関のドアの鍵がなかなか見つからなくて・・・
振り向きたくなる。
こっち見てるわけ・・ないよね・・?
最後にもう一度
大好きな人の姿を目に焼き付けよう・・・
振り向いた先に・・
涙に濡れた先生の瞳・・
じっと私を見る先生は
無理して
少しだけ 微笑んでくれた。