白いジャージ ~先生と私~
随分長い間、泣いていたような気がする。
遠くなる意識の中で
先生との思い出が甦る。
廊下の向こう側から手を広げる先生に
走っても走っても
近づけない。
遠くに見える先生の笑顔が忘れられない。
いつの間にか、泣き疲れて眠っていたようだ。
ベッドの隣で寝息を立てるお姉ちゃんのパジャマの胸元は私の涙で濡れていた。
月を見ると
三日月の上に座る私と先生が見えるような気がした。
薄い三日月の上に腰かける私と先生は
足をブラブラとさせながら
手を繋ぎ
微笑み合う。
ねぇ、先生。
私と出会ったこと
私と愛し合ったこと
後悔しないで。
お姉ちゃんの手を握り、
まだ溢れる涙を
拭くこともなく
眠った。