白いジャージ ~先生と私~
「半年分の日誌を書けと言っても、無理だろうなぁ・・・」


前を向いたままの先生の声が聞こえる。


「すいません・・・日誌って、形だけだと・・思ってた。」


「あははははは・・・まぁ、今までチェックしてなかった俺が悪いけど・・」


笑ってくれた。

先生が

笑ってる。



「実はどのクラスの日誌も、ほぼ白紙だったよ・・」


先生は、ポケットに両手を入れたまま少し振り向いた。


その姿と、顔がすごくかわいくて

嬉しくなった。


「・・・元気か?」


少し眉を下げるその表情も好き。


「・・先生は?」


私は、聞こえないくらい小さな声で聞く。


「ん??俺?・・・どうかな・・」

また前を向き、歩く先生。

その隣を歩くことはもうできない。


「私は・・元気だよ。」


私の強がる声に、先生は振り向いて微笑んだ。


「そっか・・・安心したよ。」



そのまま、長い廊下を黙って歩き、教官室へと向かった。



本当はもっと話したいことがいっぱいあった。


今、先生は誰と暮らしてる?

娘さんと暮らせるようになった?


先生・・ありがとう。

私も

私の家族も

先生に救われたんだよ・・

一生忘れないよ・・って。



先生のこと


これからも


好きでいるけど・・いいですか?


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