白いジャージ ~先生と私~

「臭いと思うぞ?」

先生は、ニヤっと笑ってそう言った。


「ふふふふ。イカ臭いかな?」


「おいおい!!それはないだろ!!」


先生が私の頭を軽く叩く。



この部屋を出たら、もう終わりだって思うと

なかなか出られなかった。


バレンタインにチョコをもらって


ホワイトデーにお返しをする。




この一つのサイクルが今終わったんだ。




もう、先生から呼び出してもらえることもないんだ。


私と先生をつなぐものは


なくなった。


もう外は暗くなってた。


この教官室は


先生との思い出がいっぱい。



先生がマウスを揺らす。


「中の文字・・・消す?」



「・・・うん。」



「そっか・・」



「やだ・・・やっぱやだ。消さない。」



「そっか・・」



「先生、貸して!!」



私は


中のボールに


油性ペンで書き加えた。



『一生大スキ』






< 369 / 480 >

この作品をシェア

pagetop