白いジャージ ~先生と私~
「臭いと思うぞ?」
先生は、ニヤっと笑ってそう言った。
「ふふふふ。イカ臭いかな?」
「おいおい!!それはないだろ!!」
先生が私の頭を軽く叩く。
この部屋を出たら、もう終わりだって思うと
なかなか出られなかった。
バレンタインにチョコをもらって
ホワイトデーにお返しをする。
この一つのサイクルが今終わったんだ。
もう、先生から呼び出してもらえることもないんだ。
私と先生をつなぐものは
なくなった。
もう外は暗くなってた。
この教官室は
先生との思い出がいっぱい。
先生がマウスを揺らす。
「中の文字・・・消す?」
「・・・うん。」
「そっか・・」
「やだ・・・やっぱやだ。消さない。」
「そっか・・」
「先生、貸して!!」
私は
中のボールに
油性ペンで書き加えた。
『一生大スキ』