白いジャージ ~先生と私~

先生のジャージ


先生は、走り去る私の名前を呼んだ。


「なお!!」

って呼んだ。



ダメじゃん・・・先生。


ここは


学校だよ?


振り向きたかったけど、振り向いたら

先生の胸に飛び込んでしまいそうだったから・・




自分の部屋で、紙袋の中のジャージを取り出した。



涙が溢れて止まらなくなった・・・



「せん・・せ・・い・・・・せんせ・・い・・・せんせ・・・」



大好きな白いジャージを抱きしめた。


汚れた場所もちゃんと覚えてる。


破れかけの左ひざも・・・


右ポケットのしみも・・・



全部ちゃんと知ってるよ。



抱きしめたジャージから


かすかに香る

先生の部屋の匂い。



先生の姿が甦る。



このジャージで走ってる先生。


廊下を歩く先生。


後ろから掴んだジャージの裾。


抱きしめてくれた先生の腕。








先生・・・



大好きです。




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