白いジャージ ~先生と私~
ドキドキしっぱなしの私に、ゆかりは言う。


「何照れてんの?手握られただけでしょ?昔はあんなことやこんなこともされてたのに~~!!」


「もう!!!ゆかりのばかぁ!!」


私は洗っていた玉ねぎを落とす。





先生は、隣のグループに捕まってなかなか抜け出せないみたい。

結局、うちのグループには顔を出してくれなかった。



目の端に入る荒木さんの笑顔と

耳に残る荒木さんの甘い声



なんかやだ・・・



「荒木さん見てると、昔の私みたいだよね??」

依子が洗い物をしながらこっそりと耳打ちした。



そっか・・


なんとなく誰かに似てると思ってたけど

昔の依子かぁ・・



「大丈夫だって・・先生ああいうタイプキライだから・・」

「・・・そう・・かな?」

「うん!!先生は、ああいう甘ったるい声出す生徒は苦手だよ・・」


依子が言うから説得力がある。



洗い物終えた私達の元にやってきた先生。


「遅いよ・・先生。」


ふくれっ面のゆかりに先生は本気でびびってる。


「ごめんごめん・・今から自由行動だけど、俺・・必要?」

叱られた子犬みたいな顔で私達を見る先生に

依子が言う。


「一緒にバトミントンしよ~!先生!!」




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