白いジャージ ~先生と私~

廊下

先生はエスパーなのかと思う。


終わりのホームルームで先生が言ってくれた言葉は

将来になんとなく不安を感じてた私達の心に優しい風を吹き込む。


「お前らは、ゆっくり大人になればいい。焦らなくてもいいから、俺の手の平でゆっくり大人になれ!」



先生・・・


先生の手の平にずっといたいよ。


卒業なんてしたくない・・


急に


不安になるこの気持ちが



高校3年生・・・ってこと??


将来の不安・・

自分の存在。

生きている意味・・



来月の進路懇談会を前にして

みんなそれぞれ

必死で悩み 大人になろうとしていた。




放課後、帰ろうとする私は廊下の窓に寄りかかる先生と目が合った。


「どしたぁ?悩んでんのかぁ?」


首をかしげ、

優しく笑う先生の顔見てると

気持ちがラクになる。


先生、とても不安なこの1年間担任の先生として

私のコト・・・支えてね。


「これから・・・どうしたらいいんだろ・・」


ボソッと呟いた私の声を聞き逃さない先生は・・


「お前はお前でいいんだって!!」


背中を押された私は、笑顔で先生に手を振った。



「あ・・矢沢!!」


呼び止められた私は ものすごい速さで振り向いた。


「・・・いや・・・なんでもない・・じゃあな。」


何か言いたいような表情が気になって、何度も先生を振り向いたけど

先生は男子と笑いながら話してた。


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