白いジャージ ~先生と私~

俺だって男。


やきもちも焼く。




俺のクラスの男子が直を話題に出したり


仲良く話してるのを見ると


教師であることを忘れそうになる。



まだ俺を好きなのか、不安だった。



卒業したら、気持ちを伝えようと思ってた。



ホームルーム中に感じる視線や


出席を取る俺を見つめる優しい目や


廊下ですれ違う時の少し赤くなる顔は



まだ俺を好きなんだと


信じさせてくれるんだけど



俺は、不安で寂しくて仕方なかった。




ホワイトデーにジャージを受け取ってくれた直は


昔のままだった。




抱きしめて、連れ去りたいと思った。



マウスの中に直が書き足した言葉を見るのが怖くて・・・


俺って情けない。



キライって書かれてたらどうしよう・・・





しばらくしてマウスの動きが悪くなり、恐る恐る見た。



『一生大スキ』



???




本気で!?




あいつ



今も


これからも


俺を好き??




そうだとしたら、

今 直はどんな気持ちだ?


愛してるのに


自分から別れを切り出した直は


今、どんな気持ちで俺のクラスで過ごしてる?





何びびってんだよ、俺。




このままでいいのか?




俺は、それから眠ろうとすると


直の声が聞こえて、眠れなかった。



『先生』


『先生』


『先生』




直に、呼ばれることが


俺の幸せだった。



今まで何回呼ばれただろうな・・・



俺を誰よりも愛してくれた直。


また


俺を呼んでくれる?
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