白いジャージ ~先生と私~
その時、自動ドアが開いた。
一瞬・・・夢の中かと思うくらいに頭の中真っ白になる。
トレイを持つその人は
新垣和人。
先生だった。
冗談半分で、やきそばパン買いに来てねって話したことあるけど、
まさか本当に来てくれるなんて思ってもみなかったんだ。
トレイを持ちながら、店内をウロウロする先生。
「すいませ~ん・・・やきそばパンないですかぁ?」
先生は、にっこり笑う。
「すみません・・・売り切れてしまって・・・あの・・・そこのロールチョコパンがおすすめなんですけど。」
先生は、一つ残ったロールチョコパンをトレイに乗せる。
「・・・いちおう・・・バイト禁止なんですけど??」
先生は、舌を出してクリクリの目で私を見る。
かわいい!!!
先生は、コロッケパンとピザと・・あんぱんも買ってくれた。
「閉店間近の割引とかないの?」
そう言いながら、先生は財布から1000円札を出す。
先生とこうして、店員と客という立場で会話するなんて初めて・・
ドキドキするよぅ。
「釣りはいらねぇから、後でコーヒー買ってきて。」
小さな声でそう言った先生は、店を出た。
店の斜め前に停まってる車。
後で・・・って言ったよね。
先生は、不安な私の気持ちちゃんとわかってくれてる。
私が不安なときや、寂しいときに
特に優しいんだ。
ちゃんと気遣ってくれるんだ。
大事にされてるなぁ・・・としみじみ感じる。