白いジャージ ~先生と私~

覚悟

「さて・・・そろそろ本題に・・・」


先生は、靴を脱いだ。



「荒木は、もうお前のこと気にしてないっぽい。ただ・・・教頭が怪しんでる。」


先生の右の眉が少し上がる。


「教頭先生が??」



「あぁ。荒木が教頭にチクっただろ?あの時、ドアを叩く前に開けようとしたらしい。・・・で、鍵がかかってることに、気付いたんだ。」


冷房の風が私の前髪を揺らす。


先生は私の両手を先生の両手で包むように握ってくれる。


「大丈夫だから・・・お前は今まで通り、楽しく毎日を過ごしなさい。」


「でも・・・先生は?何か言われた?」


「帰りに教頭に呼ばれてさ・・何もないことを信じたいですが、あの状況では疑うしかありません・・って言われた。」


先生は、私の手を上下に動かしながら話す。


「俺・・・口うまいから大丈夫だって!!最後までごまかすし・・・教頭には気に入られてるし、安心しろ。」


「やだよ・・・先生が教頭先生や、他の先生に怒られたり、やめさせられたりしたら!!!!」


私は、先生の手を握り返す。


「やめねぇって言ったろ?俺はお前のスーパーマンなんだから、すぐに助けられる距離にいるって・・」



首だけ私の方に近づけて、キスをした。


「今から大事な話をする。」


私は嫌な予感がした。


・・・・・やだ・・



もう別れたくない・・


あんな辛い想いしたくないよ・・先生。
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