白いジャージ ~先生と私~
「直・・・大丈夫だって・・・今のは、最後の最後だよ。大丈夫だからぁ・・笑ってくれよ・・」
先生が私の耳に舌を入れる。
「せんせ・・のばかぁ・・ふふふふ」
「笑ったぁ・・・!!!」
先生は、私の背中を優しく撫でてくれる。
まるで、お母さんが子供を寝かしつけるみたいに・・
「俺は、覚悟を決めた。だから、お前も・・・頑張れる?」
「うん・・」
「明日から、卒業まで2人で会うのはやめる。いいな?」
「・・・寂しいけど・・・わかった・・」
「これは、別れるのとは全然違う。毎日電話もするし、メールもするし、どうしても会いたくなったら飛んでいくから・・」
「・・・ひっく・・・ひっく・・・うん・・・」
声がうまく出ない。
「ほらぁ・・・また泣くぅ。校内では、荒木みたいな生徒もいるからできるだけこっそり会わないように・・・っ思うけど、やっぱ寂しいな・・」
先生は、私のおでこにあごを乗せて月を見る。
「大丈夫だよ・・先生。心がつながってるなら、私我慢できると・・・思う。卒業式までは、教師としての先生にいっぱい甘えるから・・」
「お前・・・大人になったな。これから、もっと大変なことも起こるかも知れない。だけど、俺のこと・・・信じてて。俺の気持ちは絶対変わらないから。」