白いジャージ ~先生と私~
家の前まで送ってくれた先生は、手を握ったまま月を見る。


「携帯のメモリーも、俺の名前じゃやばいから、変えといて。」


「先生も、矢沢って入れてるんじゃない?」



私は、先生のメモリーを 『ダーリン』  にした。




先生は、私を『ハニー』 にした。



ただそれだけのことなのに、嬉しくて2人で笑った。




「しばらく・・・エッチもチューもできないなぁ・・・」


「先生・・・大丈夫?浮気しないでね・・」


先生の右手が私のおでこに ぺシッ・・って。


「怒るぞ!!浮気なんかするわけねーだろ!!お前からもらったマフラー抱いて眠るよ・・毎晩・・・・」



「私も、先生の白いジャージ抱いて・・眠るから。」


「頑張ろうな!!!卒業まで!!恋も勉強も進路も・・・いっぱいあるけど、全部後悔しないように、しっかりやっていこうな!!」


爽やかな青春映画の中の教師みたいなことを言ってくれた先生は、

別れ際、握手をしてくれたんだぁ。



「また明日な!!」


そう言って、手を振りながら私が家に入るまで見守っててくれた。
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