白いジャージ ~先生と私~
第6章
遠くなる
あのドライブから、1週間が経とうとしていた。
太陽は、相変わらず真上から私達を照らす。
照り付ける太陽の眩しさに、あの日のときめきが蘇る。
あれから・・・
あれから、先生のことを考えない時間はない。
あの日、家の前まで送ってくれた先生は・・・
ため息をついた私に言ったんだ。
「何かあれば、連絡しろ。心配で仕方ない。」
先生は、財布からレシートを取り出してその裏に携帯番号を書いてくれた。
私は、そのレシートを見つめながら毎晩枕を濡らす。
お姉ちゃんの部屋から聞こえる大音量の音楽を聴きながら。
お母さんとお父さんの深刻な話し声を聞きながら。
私は、先生からもらったレシートを握り締める。
今までとは違う。
ただ、辛い涙じゃない。
この辛い環境を嘆いていた昔とは・・違う。
先生がいる。
私には、守ってくれるスーパーマンがいる。