白いジャージ ~先生と私~

先生の愛

「よっ!!」


右手を上げる先生に、思い切り抱きついた。

涙が流れてることも気付かないくらいに

先生の胸のぬくもりを自分の体に記憶させる。



「直・・・お誕生日おめでとう!!!」


え・・


えぇ???



誕生日だったんだ・・私。



「一番に言いたくて・・今日だけは特別な。」


先生は、12時ピッタリに私にメールをくれた。


「直・・・お前よく頑張ってるな。毎日、いい笑顔してるよ。」

「んぐ・・んっ・・ぅぐ・・・せんせ・・・あり・・がとぉ・・」


泣きじゃくる私の頭に

ポンって乗せられた紙袋。


「プレゼント!!」


「うわぁぁぁ・・ん・・せんせ~~~!だいすきぃ・・・」



泣き止まない私を助手席に座らせた先生は、運転席に座り私を見つめる。


「俺のこと・・・好きか?」


「大好き。大好きぃ~・・・先生」


先生は、私の頭をなでなで・・


「俺も大好き。頑張ってるお前見てるとどんどん好きになる。」


「私もだよ・・・先生。これ・・・開けていい?」


プレゼントは2つあった。


1つは、かわいい腕時計。

もう1つは修学旅行で撮った2人の写真の入った写真たて。




先生の手で、私の腕に付けられた腕時計は私の腕にすぐになじむ。

小刻みに動く針を見ながら、先生が言った。

「どんなに離れてても、会えなくても俺とお前は同じ時間を生きてるんだよ。」


先生は

どこまで私の気持ちを奪うんだろう・・



これ以上好きになれないというくらい好きなのに・・


それ以上に好きになれる。

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