白いジャージ ~先生と私~
背筋をピンと伸ばして歩く先生の姿を、

教室から毎日見てた。


廊下を歩く先生をドキドキしながら見つめることが

たった数秒の毎日の楽しみだった。



廊下で先生を見つけると

先生に向かって走った。


「先生!」


振り向く顔が大好きだった。


「矢沢」

「お前」


そう呼ばれるたびに

胸の奥がキュンとして苦しくなるんだ。




先生と

近づいた水泳の補習。


先生と掃除した教官室。


こっそり書いたマウスの中の『スキ』・・


こぼしたオレンジジュース。

先生に借りた服。



先生に抱きしめられた夜。



あれから、いろんな事があったね。


山あり


谷あり



崖あり・・・壁あり・・・




そのたびに大事な人達に助けられて

今がある。




自分のことより私のことを考えてくれるゆかり。

大好きな人を私の為に諦めてくれた。



大事な家族。


そして・・・おばあちゃん・・




私を支えてくれるたくさんの愛のおかげで


私は


今日・・・卒業式を迎えます。
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