白いジャージ ~先生と私~

『卒業生、入場。』




「何緊張してんだぁ?笑っていこうぜ。」


先生が手を叩く。



そして・・・


私に向けられる視線。


いつもなら

さっとそらす視線。


今日はじっと


私だけを一直線に


見つめてくれる大好きな優しい瞳。



唇の端を少しだけ上げた先生は、小さく首を縦に振る。


私も 微笑んで

小さく頷いた。



先生、愛してる。


先生、今まで支えてくれてありがとう。


「さ、行くぞ!お前ら泣くなよぉ。」


そう言った先生の瞳が潤んでること

みんな気付いてるよ。


先生はゆっくりと前を向くと、大きく一度肩を上げ、息を吸う。



歩き出した先生の真っすぐな背中に向けられた

みんなからのたくさんの『ありがとう』

届いてますか?
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