白いジャージ ~先生と私~
私の誕生日に会いに来てくれた先生は、それからすごく忙しい毎日を送ってたね。

進路の決まらない生徒の家へ家庭訪問をしたり、就職する生徒の相談に乗ったり・・


そんな先生を毎日見ながら、私は頑張って勉強した。


寂しくないって言うと嘘になるけど・・

私も少しは強くなれた。


だけど・・・

やっぱり泣きたくなるときもあった。


文化祭で、荒木さんとフォークダンスを踊る先生の後姿を見るのは

辛かった。


校舎の影で

こっそり涙を流したっけ・・。



進路相談と言って、放課後毎日のように先生を教室で待つ先生のこと好きな他のクラスの女子達も存在も・・

気にしないようにしてたけど・・

やっぱり気になった。



不安で押しつぶされそうになると

先生は私が言わなくても気付いてくれた。



毎晩かかってくる電話だけが

私と先生をつなぐものだって思ってたけど


心と心がつながっていることに気付き、

私は寂しさよりも、今しかできないこの恋愛が楽しいと感じるようになった。




ちゃんと大事にしてくれるんだ。

先生は。


クリスマスにパン屋に来てくれた先生は


こっそりプレゼントくれたよね・・


かわいい手袋。

パンの横にそっと置いて・・

照れ臭そうに店を出た先生。


大事なものが増えていく。

大事な思い出が増えていく。


どんどん『好き』が増えて行ったんだ。


離れてても

2人で会えなくても

キスできなくても・・


2人の愛は大きくなっていったよね。


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