白いジャージ ~先生と私~

先生の優しさ


正直に話せた自分に驚いた。

「気まずくなったらどうしようって思ったら、怖くて・・」


プールに体半分浸かりながら、先生は私に水をかける。

「や~い!怖がり~!!」

こんな風に、冗談半分で笑い飛ばしてくれるところも大好き。



「俺、まんまとハマったかと思った。」

先生は、ゴーグルを付けて顔を一度水につけた。

「何が??」


「お前の、押したら引く作戦にハマったのかと思ったよ。」


先生は、そう言うと水の中に潜った。

先生のばか・・


そんな作戦考える余裕ない・・


水から顔を出した先生は、大好きな表情でニコっと笑う。

「お前、そんな器用じゃないよな・・はははは。」


「そんな作戦・・できるもんならしたいよ!」


先生は、足だけ動かしながら立ち泳ぎをしてる。

「してるつもりはなくても、俺にはかなり効いたぞ・・悔しいけど・・」

先生は首の後ろを触りながら、ちょっと照れた顔をした。

「え?」

「お前のことだから、すぐに携帯に電話かかってくるかと思ってた。無意識に毎日お前からの電話待ってた・・」


先生・・・本当?

先生が、私からの電話を待ってたなんて。


「あれから泣いた?」

先生は、立ち泳ぎをしたまま。

立ち泳ぎしてる先生は、少し唇をとがらせて・・かわいいなぁ・・


「何回か・・」


私が答えると同時に、先生が私の髪を・・・


髪を触る。

濡れた長い髪を、ゆっくり触る。

「ばかだなぁ・・・何の為に携帯教えたかわかってる?お前が泣かないようにって思って教えたんだぞ・・」

優しく、子供に何かを言い聞かせるような穏やかな話し方。

先生は、少し首を傾けながら・・

私のおでこに・・・


キスをした







ドキドキドキ・・・・・・・・・・・・・・


動けない。


心臓が口から出たかもしれない・・・・・



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