白いジャージ ~先生と私~
「先生・・?」
私がやっと声を出せたのは、かなりの時間が過ぎてからだった。
「お前の泣き顔見たくないんだ・・あんな風に辛い顔見たくない・・」
私は、涙が溢れて・・・
「ほらぁ、また泣く・・」
先生の手が私の頬に触れる。
「この涙は・・嬉し涙だから・・・いいよね?」
先生は、いつの間にか立ち泳ぎをやめて、プールの中に立っていた。
「俺、こないだから結構泣かせてるな・・」
「先生・・!!!」
私は、大好きって言う言葉の代わりに先生の胸に飛び込んだ。
その後、急に教師らしくなった先生のスパルタ塾が始まり・・
1時間みっちりクロールの練習をした。
まるで、『アメとムチ』みたい。
先生のキスは、どんな困難でも乗り越えられる勇気をくれた。
その夜、月を見ていると・・先生の声が聞きたくなった。
でも、その日はお姉ちゃんは外泊していて、平和な時間が流れてた。
私は、先生のキスを思い出し、
先生の一言一言を思い出し、
幸せな気持ちで眠った。