白いジャージ ~先生と私~
「言っちゃった・・・俺、どうしちゃったんだろぉ・・」
先生は、シートを倒し、窓から夜空を覗き込む。
私は、まだ信じられなくて・・・
頭の中で何度も何度も、さっきの先生の言ってくれたこと、思い出す。
「どうしよっか・・?お前、まだ2年なのに・・」
先生は、窓の外を眺めたまま、遠い目をした。
「・・・うん。」
私は、じっと先生の横顔を見つめてた。
「卒業まで待つつもりだったのに・・・お前のせいだからなぁ!!」
先生は、私に視線を移しニヤっと笑う。
「私・・のせい?私、好きって言うの我慢してたもん。」
私は、目が合うとドキドキが激しくなるからさっと目をそらす。
「お前が・・・そんな潤んだ目で俺を見るからだぁ!!」
先生は、手を伸ばし、私のほっぺをつねった。
「これから・・大変だぞ・・?」
つねった手で、今度は優しく頬を撫でる。
「うん・・」
私は、キラキラ輝く先生の瞳に吸い込まれそうだった。
「俺は、卒業まで待つ覚悟はある。あと1年半・・待てる?」
先生の眉毛・・たまに困ったように下がるんだ。
大好き。
「今、一緒にいたい・・・わがままかな・・?」
「俺だって、本音はそうだけど・・お前にはちゃんと卒業してもらわないと・・」
先生は、頬を撫でる手を止める。
「無理かな?先生と生徒・・って。」
先生は私の頬からそっと手を離し、ポケットから携帯を取り出してこう言ったんだ。
「今の時代は、コレがあるからな・・・頑張ってみるか?」
先生は、大好きな大きな手で私の両手を包み込む。
空には、無数の星たちが輝いてた。
先生・・・私、先生を好きになってよかった。
先生にも、そう思ってもらえるように・・頑張るから。
先生の支えになりたい・・
どんなことが待ってるかわからないけど、きっと乗り越えられる・・よね。
だって、こんなに大好きなんだもん。