白いジャージ ~先生と私~
なんとなくわかってたんだ・・・とゆかりは、静かに呟いた。
右手の薬指の指輪。
龍の話し方。
キスの仕方。
昔とは少し違ってた。
平気なふりして、龍と手を振って別れた後、
しゃがみ込んで泣いた。
『押さえてた気持ちが、全部溢れてきちゃって。こんなに好きだったんだって、今・・気付いたよ・・・どうしよ・・直・・』
電話の向こうで鼻をすすりながら、ゆかりは言う。
『家に呼んだ時点で、こうなること何となくわかってたのかな・・・私。』
ゆかりの気持ち・・・すごくわかるよ。
好きだったら・・わかってても、そばにいたいって思う。
もし、私が先生と別れたら・・・って考えた。
醜くても、ばかでも・・・もし、相手の気持ちが自分になくても・・・
触れたいって思う。
都合のいい女でも・・なんだっていい。
会いたいって・・・思う。